過去に取り扱った事件
耐震不適合を理由とする立退き請求から老舗レストランを守る
昭和41年から続く老舗レストラン。賃料等の滞納は全くありませんでしたが、これまでしばしばビルの大手テナントが退去するたびに明渡を求められていました。そしてついに平成23年、ビルオーナーは耐震性の不足、建て替えを理由として賃貸借契約の更新を拒絶し、明渡の訴訟を提起してきました。これに対して、オーナーの側には本件建物を使用する積極的な事情があると認められないこと、レストランにとっては移転は大変な費用がかかり、且つ立地の変更も店の雰囲気を壊してしまいかねないこと、耐震性の問題は、直ちに本件建物を取り壊さなければならない状態に至っていないことなどを主張し、オーナーの請求を退けました。(亀井弁護士と共同受任。東京地方裁判所平成25年12月24日判決、判例時報2216-76)
ワンクリック詐欺に対する損害賠償請求
櫻井弁護士自身が原告となってワンクリック詐欺に損害賠償を求めた事件。ある日届いた怪しげなメールを櫻井弁護士が開いたところ、それがワンクリック詐欺のサイトでした。まさにワンクリックしたところでいきなり代金請求。しかも櫻井弁護士のパソコンから個人を特定できるデータを取得したかのようなメッセージまでついていました。櫻井弁護士は振込指定口座から詐欺の犯人を突き止め訴訟を起こし、30万円の賠償金を支払わせました。(東京地方裁判所平成18年1月30日判決、判時1939-52)
悪徳行政書士に対する損害賠償請求
相談者が事件を弁護士に依頼したことを逆恨みした行政書士が、相談者と弁護士に対して執拗な嫌がらせをした事件について、損害賠償請求訴訟を提起し、相談者に対して150万円、弁護士に対して200万円の賠償金の支払いを命じる判決を得ました。(亀井弁護士、田岡弁護士と共同受任。東京地方裁判所平成19年6月25日判決、判時1989-42)
メルセデスベンツ盗難事件
Aさんは新宿の都庁付近の路上パーキングに愛車のベンツを停め、デパートでショッピングを楽しみました。ところがパーキングに戻るとベンツはありませんでした。盗難届を出して保険金を請求したところ、保険会社は支払いを拒否しました。盗難防止装置が付いているベンツはそう簡単に盗めないから、盗難の発生自体が疑わしいというのです。納得の行かぬAさんは訴訟を起こしましたが結果は敗訴。当事務所で控訴審を受任することになりました。1審敗訴の理由は「盗難防止装置が付いている自動車がそう簡単に盗めるはずはない」というものでしたから、私たちはある実験を行いました。盗難事件があったその現場に同型のベンツを置いて(もちろんエンジンキーを抜き、ドアをロックして)、レッカー業者に運ばせてみたのです。通行人も、傍らを通るパトカーさえも何ら不審を抱くことなく、「盗難」実験は成功しました。盗難防止装置が付いている自動車もその気になれば簡単に盗めるのです。私たちはその様子を録画したビデオを証拠として提出し、高裁で和解による解決を勝ち取ることができました。(亀井弁護士と共同受任)