警察当局は、膨大な予算を食うNシステムの成果を強調したい、同時にNシステムの実態と運用が憲法その他の法令に違反することも知っている。したがって公式発表ではNシステムの成果を誇れない。いつも、捜査員のマスコミへのリークという形をとる。
本音としては既成事実を積み上げ国民の知らず知らずの、あいまいな合意の空気が醸成されれば好都合といったところであろう。
最近は運用実態を「警察一家」内に止めようとする動きが目立つ。Nシステムを取材しようとした記者の多くは「警告」を受け、予算詳細を知ろうとした政治家は「懇願」されたと聞く。
警察庁は危機感を抱いていると同時に、強い決意もまたある。もう引き返せない段階にきているからだ。さらに強大な監視システムの設計と構築に踏み出している。
一つの疑問は、官僚が、永い政治空白や全国民注目の組織犯罪に乗じた側面があるにせよ、違法性はもとより国際的注目・驚愕を招きかねない大胆不敵な「くわだて」を、はたして彼等だけで決断し得たのだろうか、という点である。